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Arduino温泉卵機の製作4(電気設計)

どうも、とらです(๑´∀`) 前回の基本設計に引き続き、Arduino温泉卵機の電気設計を行うことにしました。








ヒーター


まずは卵に近いヒーター部から考えてみます。ここはティファールの電気ケトル「アプレシア プラス コンパクトモデル シュガーピンク 0.8L BF805774」を使うことが決まっているので、調査だけにします。ちなみに違う色のモデルがいくつか出ていますが、とらは家にあったピンクをそのまま使うことにしました。






しかしこれでおしまいにするわけにはいきません。実際のものを見て消費電力は1250Wと分かりましたが、どんな種類のヒーターを使っているか確認しないといけないからです。幸運にもティファールの電気ケトルを分解している人がいました。それによるとどうやらヒーターはシーズヒーターのようです。

T-farの電気ケトルx特殊ネジ


でも念のため自分でも確認します。電気ケトルを裏返すとねじが3つありました。これを外すと裏蓋が取れて中が確認できそうです。ただし、先ほどのサイトに

”少しずつ周囲を開くと外れてくれた。専用工具がないと傷が付いりするような「嵌め殺し」構造。”

とあったのであまり開けたくありません。今回は電気ケトルを改造はしないし、単に中を見るだけの為に分解して外側を傷をつけるのは嫌ですからね。。。

でもシリコンバレーのCompuer History Museumでスティーブ・ウォズニアックがインタビュー動画でiPhoneについて "Jailbreak it!"と言っていたのでやっぱり開けてみようと思ってひっくり返します。




放熱用と思われる小さな穴がいくつかあります。そこから中が見れないかと思い、iPhoneで光を当てながら覗いてみることにしました。





なんと! 見えちゃいました。これはまさしくシーズヒーターです。これで電気ケトルを分解せずに、熱源はシーズヒーターであることが確認できました。




シーズヒーターについては、日本ヒーター株式会社の設計資料がとても勉強になります。

設計資料


ここまでの設計図はこうなりました。




SSR


次はSSRです。電気ケトルのヒーターの消費電力は1,250Wで定格電圧が100Vなので、

1250W / 100V = 12.5A

の負荷制御ができるものが候補になります。あとArduinoにつないで使うので、5VでOn/Offできるものが対象になります。

手始めにMisumiの制御部品・PC部品のカタログを見てみます。




いろいろ載ってますが、ヒーター用ソリッドステートリレーというそのものズバリがありました。しかもヒートシンク付きです。SSRは負荷によって熱くなるので適宜放熱が必要なのです。




しかし残念ながら、入力が12Vからだったので別のものを探します。5Vから使えて12.5Aの負荷に耐えられるものは2,000円後半といった具合ですね。

安いものはないかと思って秋月で探してみると、よさそうなのがありました。FOTEKのSSR-40 DAです。5V、12.5A/AC100V両方クリアです。40Aまで使え、放熱なしで10A程度まで使えるとあります。そういえば秋月がレイアウト変更する前、店に入ってすぐ左側の床付近にこのSSRありましたね。1,000円と手頃なのでこれを使うことにしました。




秋月にあるデータシートと、製造元の台湾FOTEKのデータシートを確認します。製品型番のSSR-40 DAから、Output current = 40A、Input method = 4〜32VDC、Output voltage = AC ということがわかりました。Control methodについては型番に含まれていないので、Non = Zero cross control でゼロクロス動作することが確認できました。





ゼロクロスの説明もありましたので見ておきます。ゼロクロスでない場合、Outputの立ち上がりは0からではなくInputと同時になるので、正確な制御の場合はゼロクロスでないほうがいいです。くわしくはこちら






応用例を見ておきます。右上の単純なやつがよさそうです。端子3と4をArduinoにつなげれば負荷を制御できますね。





中の回路も見ておきます。ゼロクロス回路とスナバ回路が見えますね。




気になる放熱ですが、データを見る限り放熱なしで80℃ぐらいまではいけそうです。




電源ON時の突入電流に関しては、シーズヒーターなので気にする必要はなさそうです。

SSRについては以下の情報が勉強になります。

ソリッドステート・リレー 共通の注意事項
SSR使用上のご注意


SSRに電気ケトルを直づけしてしまうと電気ケトルの改造になってしまうので、ACインレットとACアウトレットと電源ケーブルを使い、必要な時に電気ケトルをつなげるような作りにします。この部分は次の機械設計でユニット化します。なお、インレットなどは千石電商の地下で売っています。

SSRが加わり、設計図はこうなりました。






Arduino


Arduinoは一番オーソドックスなArduino Unoを使います。PWM(Pulse Width Modulation)が使える出力ピンがあるので、擬似的に5V以下の1Vや3Vを出力してモーターの回転数を変えたりLEDの明るさを変えたりできます。PWMはデジタル信号であるパルスの幅から擬似的なアナログ信号を作ることなので、うまいことヒーターの温度制御に使えそうです。


PWMのイメージ


実際にはArduinoの出力ピンの電圧は高速に0V→5V→0V→5Vと切り替わっているだけで、3Vとかが出ているわけではありません。なのでこのパルスをSSRに入力信号として入れてあげれば100V側をPWM的に制御できそうです。

パルスはPIDで作ります。ArduinoにはPIDのライブラリが用意されているので、これを使ってプログラムを作ることになります。ただし、出力がアナログのアウトプットだと0〜255の値が出てくるので、出力はデジタルにする必要があります。

アナログとデジタルでvoid loop()の作りが違うので注意が必要ですね。



アナログの場合



デジタルの場合


このパルスが設定温度付近でSSRを高速にOn/Offすることにより、ヒーターにずっと100Vをかけているのではなく、擬似的に80Vとかをかけている状態となってPWMとして温度制御ができるんですね。

なお、Arduinoには10bitのA/Dコンバータが備わっており、5Vを1024段階にわけて4.9mVを1として取り出すことができるんだそうです。

Arduinoが加わり、設計図はこうなりました。








熱電対アンプモジュール


K型熱電対の起電力は+1℃で40μV(4.0 × 10-5 V)程度です。Arduinoは4.9mVでようやく1ユニットと認識するので、これでは電圧が低過ぎて検出できません。Arduino温泉卵機は水道水(年間平均16℃)を70℃まで上げるとしても、たった 2.16 mVの起電力しか得られません。

(70 − 16)* 4.0 × 10-5 V = 2.16 mV

そこで、熱電対の起電力を増幅してArduinoで検出できるようにするアンプが必要になります。ものはAdafruitのThermocouple Amplifier MAX31855 breakout boardを使うことにしました。




このモジュールはアンプとして機能するだけでなく、Arduinoとの通信までやってくれます。Arduinoと物理的な接続にはVin (5V)、GND、DO (data out)、CS (chip select)、CLK (clock)の5つが必要です。

さらにライブラリがあって簡単に温度データをプログラム中で扱えます。Arduino1台に対して同時の複数の熱電対にも対応しており、モジュール自体は追加する必要がありますが、以下のようにピンを1つ変えるだけで残りは共通で使えます。

Adafruit_MAX31855 thermocouple1(CLK, CS1, DO);
Adafruit_MAX31855 thermocouple2(CLK, CS2, DO);
Adafruit_MAX31855 thermocouple3(CLK, CS3, DO);


温度はこのように取得します。

 double c = thermocouple1.readCelsius();


このモジュールには製造元が提供しているとてもいい資料があります。実際のものは秋月にあるAdafruitのK型熱電対アンプモジュールと同じですので、これを買って使います。




熱電対アンプモジュールが加わり、設計図が完成に近づきました。






熱電対


最後は温度センサとしての熱電対です。K型熱電対であればテスタに付属しているものでも何でもokですが、秋月で手頃なK型熱電対プローブが売られていたのでそれを使うことにしました。これの先端を電気ケトルの水の中にそのまま入れて温度を測ることにします。




熱電対には極性があるのでアンプモジュールとの接続には注意が必要です。さらに熱電対の線は補償導線という特殊なものなので、勝手にリード線などで伸ばすと温度データがおかしなことになります。


最後に熱電対が加わり、Arduino温泉卵機の設計図が完成しました(๑´ڡ`๑) 




以上で電気設計は終わりです。

つづく

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