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小1の思い出

小学校に入ると1-2になった。前にも書いた通り、トイレが近いのではないか?という不安で朝は気が気でなかったが、その不安はしばらくして消えた。生活態度全般については最初は真面目にしていたが、すぐに手癖の悪さが出てきてしまった。


連絡帳を破って担任印を偽造する


席が近い女の子がリップクリームを持ってきてみんなに見せて自慢していたのでちょっと悔しくなり、リップクリームが出ている状態でキャップを無理矢理閉めてしまった。そうしたらリップクリームが折れ、そのことが担任の先生の知る所となった。そして連絡帳の れんらくする事柄 のところに

「今日とら君は○○ちゃんのリップクリームを折ってしまいました(以下略)」

と書かれてしまった。ぼくはこのことが親にばれるのが怖くなり、家に着いてからどうしようかしばらく迷ったが連絡帳のその日のページを破り捨ててしまうことにした。幸い左側のページだったので裏は白紙だったのである。担任印のところは先生が赤っぽい紫のペンでクルクルっと2重丸を付けていて、ぼくはどうにかそれを偽造しようと思った。家に色が近いペンがあったのでそれが使えると思い、その日のリップクリーム以外の連絡事項をそっくり書き写してから担任印をぼくは自分で付けた。それを母親に出し、まんまと保護者印をもらったのである。

次の日に何食わぬ顔でその連絡帳を担任に出した。ぼくは親にさえ悪事がばれなければ担任にどう思われようが知ったことではなかったのである。意外なことに担任は何も言ってこなかった。呆れてしまったのか親が対処したと思ったのだろうか。


漢字で黒板に結婚のお祝いメッセージを書く


ぼくの担任の先生は女の先生で、多分2学期だったと思うが高学年の担任の男の先生と結婚してハワイに新婚旅行に行ってしまった。その間ぼくのいた1-2は生徒が半分ずつ1-1と1-3に吸収されることになった。ぼくは1-3に行くことになった。担任の先生が新婚旅行から帰ってくる日に、クラスのみんなで黒板にお祝いのメッセージを書きましょうということになり、ぼくは前日の晩に母親に頼んで「結婚」という漢字を教えてもらって何も見ないで書けるようになるまで何回も書く練習をした。そして次の日の朝、ぼくは黒板に

「○○先生、ご結婚おめでとうございます」

と書いたのである。先生は教室に入ってくるなり、小1の生徒が黒板に書いたお祝いのメッセージの中からぼくの漢字混じりのメッセージを見つけ、

「え、これ誰が書いたのー!?」

と驚いていた。ぼくはしめたと思った。もちろんそれを狙っていたのである。ちなみに先生はクラスの生徒全員にハワイでお土産を買ってきてくれていた。壁にかけるはがき入れだった。


ティッシュを授業中に飛ばして反省文を書かされる


担任の先生に褒められたのは漢字でメッセージを書いたこの時ぐらいで、あとは怒られてばかりだった。鼻をかんで丸めたテッシュを飛ばす遊びを思いついて、それはどうやるかというと椅子の背もたれの板とパイプの間にわずかな隙間があるからそこに下敷きを挟み込んで、それをたわませてテッシュを飛ばすのである。授業中にそれをやっていて、勢いが付きすぎてテッシュが黒板の前で授業をしていた先生の所まで飛んで行ってしまった。

「誰! こんなことするのは!! とら君なの? なんてことしてるの!!」

ぼくはその日居残りをさせられ、生まれて初めて反省文というものを書かされた。何をどう反省していいのか分からなかったので一文字も書けずにいると「ぼくは授業中にティッシュを飛ばすという悪いことをしました。もうしません。」というようなことを書けと言われた。言われた通りに書いたら短いと言われ、そのあとなんとか仕上げてようやく解放されたが、授業中にティッシュを飛ばしたぐらいで反省する必要なんてないと思っていた。


畑の苗をすべて引っこ抜いたのがばれる


とある日の放課後のこと。ぼくの家のすぐ手前の一角に小さな畑があり、よく見かけるおじさんが何かの苗を植えていた。家にランドセルを置いてしばらく経ってからどうもその苗が気になって見に行ってみることにした。するとおじさんはすでに苗を植え終えていなくなっていた。ぼくはこの苗を抜いてしまったら面白いと思い、中腰で前屈みになり手を地面まで伸ばしてまるで犬が前足で地面をかくかのような動きでついさっききれいに植えられた苗をすべて引っこ抜いてしまった。畑荒らしである。畑の広さは民家1軒分の敷地ぐらいだから数分で終わった。

「これでよし」

ぼくは満足して家に帰った。そして次の日の朝。朝の会で担任の先生が

「最近は台風の影響もあって野菜の値段が高くなっています。そんな時にひどいことをした人がこの中にいます! とら君! 昨日何をしたか言ってみなさい!!」

と言うのである。こりゃまずい。完全にばれていた。ぼくは怒られても

「どうしてばれたんだろう?」

ということしか考えられず、おじさんが一生懸命に植えた苗を抜いたら面白いと思ったからやっただけで罪悪感のかけらもなかった。だから先生の説教は左から右に抜けていたのだが、どうやら近所の小5の生徒が学校に告げ口したということが分かった。誰が見ているか分からないものである。


校長が駆け込んできて予防注射を受けないことになる


ほかに学校であったことと言えばインフルエンザの予防接種をする日、そろそろ予防接種だという時間になるといきなり校長先生がぼくのいた1-2にやってきて、慌てた様子で

「とら君! 君はインフルエンザの予防接種は受けちゃいけない!」

と言った。ぼくは何が何だか分からなかったが、校長は

「さっき君のお母さんから電話があって、インフルエンザの予防摂取は副作用があって危ないからやらないでほしいと言ってたんだよ!」

とみんなの前で教えてくれた。ぼくはちょっといい気分になった。


女の子に呪いがかかったと言って避けるようになる


学校が終わると小1は集団下校をすることになっていた。家が近い女の子と一緒に帰るようになり、そのうちの1人と仲良くなって家にまで遊びに行くようになった。その子の母親に会う度に

「とら君はハンサムだね」

言われ、その意味がよくわからなかったが家に遊びに行くとパンの耳を揚げて砂糖をまぶしたお菓子をよく出してくれて嬉しかった。その作り方をよく見ていたから、ぼくは家に帰って母親に同じものを作ってほしいと作り方まで教えてお願いするのだった。と、ここまではよかったのだが、下校時に曲がる交差点の所に林に囲まれたぼろ家があり、畑とその家の境界をみんなでわざわざ通って帰るということをしていた時、この仲の良かった女の子の肩に緑の虫が落ちてきたのである。

「呪いがかかった!」

ぼくはよくよく分からないがそう思うようになり、その子を避けるようになってしまった。そしてせっかく仲がよかったのに疎遠になってしまった。さらに別の女の子が下校中に集団を離れて民家の影に別の女の子と慌てて行ったものだから、ぼくは怪しいと思って後をつけると、その子はトイレを我慢できずにそこでおしっこをしてしまっていた。仕方のないことなのにぼくはその女の子にビンタをしてしまい、その日の夕方にその子の母親からうちに苦情の電話が入った。


同級生に田んぼに突き落とされ、父親がその子の家に怒鳴り込む


またとある日の下校の時のこと。ぼくは同じクラスの男の子に突き飛ばされて田んぼに落ちてしまった。全身泥だらけである。しかしそのことを別に恥ずかしいとも悲しいとも思わずに、

「あー落ちちゃったなー」

という感じで、水が出ているところで淡々と手と顔だけ洗って泥だらけのまま家に帰ってきた。それを見た母親が

「とら! いったい何があったの!!」

と騒ぎ出したので事の始終を話すと父親が帰ってきてからそのことに激怒し、ぼくは父親に連れられてぼくを突き落とした近所の男の子の家まで連れて行かれた。そしてその家の玄関に入るなり父親は

「うちの息子を田んぼに突き落としたのはテメーんとこのガキか!!」

と大声で怒鳴ったのである。向こうの親はかなり恐縮していた。ぼくは特に何も感じず、その子の家でその子とゲームをして遊んでから帰ってきたのだが、心の奥で父親の愛みたいなものを感じてじんわりしたのを今でも覚えている。


かかった呪いを解いてあげると言って同級生を意のままに操る


このことがあったからかどうかは分からないが、先の女の子と同じように、この男の子にも

「呪いがかかってるよ!」

と言うと100%信じてしまい、呪いを解いてあげると言うと何でもするというのである。ぼくはおもしろくなって空き地に置いてあった土管の中で服を脱いでこっちの家の影に移動して、とか、砂が落ちているところで手の甲を10回こするだとか、その子の家がちょっと先に見えるところで裸になって手をキューピーのようにして10人に見られたら戻ってきて服を着ていいだとかそういうことを言うと彼は全部それをやったのだった。ぼくもさすがにまずいとは思ったものの、本人は言われた通りにすれば呪いを解いてもらえると思っていたから何でもした。だからぼくはさすがにこえはやらないだろう、ということを思いついては彼に言うのだが、彼は全部ぼくの言ったことを言った通りにやったのである。小1の子供が裸で道路に経っている様はさぞかし異様だったと思う。

しかしこんなことを続けていてもいいことはないので、最後にぼくは

「転校することになったからもう呪いは解いてあげられないよ」

と嘘を言うと彼はどうしていいか分からない表情で涙ぐんでいた。そして次の日、どうなったかなと思って彼に近づくとふっきれたような表情になっていた。そして彼は一言言った。

「呪いなんてないんだよ」

ぼくはちょっと血の気が引いた。向こうの親にばれただろうか。それにしても、この一連の相手をコントロールするというのはぼくが田んぼに突き落とされたことに対して彼にした復讐だったのだろうか。その後その子とは高校まで一緒だったがこの時のことを話したことは一度もない。


4.5キロ先のホームセンターにドライバーを買いに1人で出かけてしまう


最後に遠出の話を。小1では自転車を乗っていい範囲が家のまわり何メートルという決まりがあった。しかし幼稚園の時から1.5キロ離れた公園まで行って遊んでいたぼくはそんな決まりは関係ない思っていた。そしてとある日、自分専用のドライバーがどうしても欲しくなり、もらったおとしだまを握りしめて4.5キロ離れた隣町の隣町のホームセンターまで自転車で行ってしまった。親がよく連れて行ってくれていたから道を知っていたのである。通っていた小学校を通り越してその更に先の先である。ぼくは店で持つところが黄色で透き通っているプラスチックのプラスとマイナスのドライバーをそれぞれ1本ずつ買った。すごく嬉しかった。そして来た道を帰ることにした。往復9キロである。小1にとってはかなりの距離だ。

帰り道小学校まで行かないところでよく見た車が前から走ってきた。その車はぼくの前で止まるなり中の人が

「とら! どこまで行ってるの!!」

それはぼくの母親だった。家から自転車とぼくがいなくなったからどこかに行ってしまったと思ってかなり心配して探しにきたらしい。ぼくはどこに行くか言って家を出なかったのだが、ドライバーが欲しい欲しいと毎日のように言っていたのでホームセンターに向かったのが分かったのだろう。


以上が小1の時の思い出である。

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