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ぼくとピアノ(小学)

自宅にはなぜか空気式のオルガンがあり、ぼくは幼稚園で習って歌った曲を家に帰ってきて好きに弾いていた。でも同じにならないからもっとちゃんと弾きたいと思うようになり、親に

「ピアノを習いたい!」

とせがんだ。家から歩いてすぐのところに音大のピアノ科を出た先生がピアノ教室を開いていて、そこで習えればよかったのだが、そこではかなり本格的にやるということを聞いた母はどこからか月3000円の音大を出ていない先生を見つけてきて、ぼくはそっちで習うことになってしまった。

小1になってから習い始め、週1回、自転車で先生の自宅へ通うようになった。玄関を上がって右の部屋にアップライトピアノが1台あり、中央の椅子にぼくが座り、先生は右に座るのだった。レッスンという横文字ではピンこないというか、レッスンというよりも近所のおばさんの家に行ってピアノを習う、というような感じだった。

その「習う時間」が終ると、お菓子が出てくることがあった。夏になると

「とらちゃん、スイカ取りに行きましょう」


と言われ、ちょっと行ったところにある小さな畑に先生と一緒に行き、小さくてあまり甘くないスイカを取ってきて食べたりした。先生の自宅にはキウイの木があって、なっているのが見えた。果物が好きだったのだと思う。

どうも覚えていることが3つあって、レッスンの時、先生の胸が気になって、相手はおばさんなのだが怖いもの見たさというか、覗いたら見えそうだったので気になってちらちら見ていたらばれてしまい、結局見えなかったのだが先生は首を下に傾けて自分の胸元がどうなっているか確認したのだった。それと先生が鉛筆をぼくの股間に落としてしまい、

「おちんちんのところに落ちちゃったね」

と言ってそれを取ったことは強烈に覚えている。あとなぜだかは忘れたが家のトイレの話になり、先生の家は和式の水洗トイレだったのだが、ぼくの家のトイレはくみ取り式であると思っていたらしく

「水洗なんだー」

と言われ、馬鹿にされと思って非常に気分が悪かった。ぼくの家は古かったけどできた時から洋式の水洗トイレだったのである。

実際のレッスン内容だが、最初バイエルをやり、両手で弾けるようになってからは「私はピアニスト」という楽譜も平行してやるようになった。この本の中の曲が本当につまらなくて、弾きたいと思う様な曲はなかった。1年経った時、ぼくはもうやめたくてやめたくて仕方がなかった。悶々としていて、言い出さなきゃと思い、レッスンが終った後玄関のところでぼくは

「もうやめたいんだけど」

と切り出した。すると先生は

「せっかく弾けるようになったんだからもうちょっとやろうよ?」

と言うのだった。ここから後の記憶はあまりなく、そのあと小6で小学校を卒業するまでずっと習い続けた。家で練習をした記憶もあまりない。オルガンだから鍵盤が足りないのである。その事を先生も知っているのでぼくが練習をしていかなくても怒られたりすることは一切なく、家で弾かずとも先生の所で弾くんだから練習しなくていいや、というぐらいに思っていた。そんなだから6年間でやったのはバイエル2冊と私はピアニストの数冊からかいつまんでという感じで、ブルグミュラーなどはやらなかった。やった難しい曲と言えばエリーゼの為にと乙女の祈りぐらいであった。

親戚の子がうちに泊まりで遊びにきた時、卵の容器に米を入れてテープで止めて即席の楽器を作り、弟も一緒に何の曲だったかは忘れたが、ぼくが伴奏し、3人でアンサンブルみたいなことをしたことがあった。この時だったかもしれないが、この親戚の子の名前○○を取って

「○○はおりこうさん」

という曲をぼくは作曲した。これはぼくが生まれて初めて作曲した曲である。今でも完璧に弾けるこの曲は恥ずかしくて他人には聞かせられないが、機会があればYoutubeにでも載せようと思う。ちなみにこの子はぼくとは違っていたずらは一切しないおとなしいおりこうな子だった。


小学校の卒業式を間際に控えたとある週末、発表会が行われた。先生の自宅で、である。参列者はぼくの両親のみ。予め先生と「私はピアニスト」の中の曲を10曲ぐらい決めておき、それを弾いた。そして最後に先生がトルコマーチを弾いて終ったのである。この発表会の一部始終をぼくの父親がビデオ撮影していた。

この発表会当日の朝うつぶせで寝て寝相が悪かったのか、なぜかぼくは顔が赤く腫れぼったくなっており、こんな状態で発表会はあれなのでということで母親がぼくの顔に変な液体を塗ったのを覚えている。それと寝癖がうまくとれなくて、そんなだからぼくはこの日撮影されたビデオを見たいという気にはならなかった。

中学校からは勉強が忙しくなるということで、ピアノはこの日を最後に辞めることになった。だから発表会が行われたのだが、これが最初で最後の発表会だった。

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