Header Ads

とらが好きになった女の子(大学2年1人目)

大学2年になり、去年と同じように女子専門学校から半年だけの短期留学生の集団がやってきた。その中の1人、Jをぼくは好きになった。見た目からぼくの先輩は彼女のことをAV女優というあだ名で呼んでいたが、彼女は軽いとかそういうことはなくて普通の子だった。学食で一緒にご飯を食べたり部屋でマッサージをし合ったり、普通に接しているうちに好きの想いは募っていった。ぼくの誕生日にはそれまでもらったことのないような手の混んだバースデーカードをくれた。

ある日差しの強い日、寮の入り口の前で彼女がしゃがんでいる時に黒のレースのパンツが見えてしまい、ぼくは興奮してしまった。しかし不思議なことに同じ寮で全然タイプでない年上の女性からラスベガスに泊まりで遊びに行こうと誘われ、話を聞きに部屋に行ってみた時にブラや下着が室内干ししてあり、それを見ただけで吐き気がしてしまうのだった。女性が男を誘うような準備や仕草に対してどういうわけかぼくはダメだったのである。ラスベガスは行かなかった。ちなみにこの年上の女性と自転車で街中を走って、交差点の所に泊まっている時に彼女がおならをしてしまった音が聞こえ、なんだか嫌になった。

Jを好きな気持ちも自分でもいつまで続くか分からなかった。そしてその日は来てしまった。
Jと寮でご飯を作ることになり、ぼくの持っていた炊飯器を使って米を炊いたのだが、準備段階でJが米を洗ってそれを運ぶ途中に階段のところでひっくり返しそうになった。そうなっただけで実際はひっくり返していないのだが、ぼくはそれを見て一気に冷めてしまった。

どうしてなのかは分からない。ただ留学前のペットボトルの時と同じように、女の子のちょっとしたドジで好きと嫌いが入れ替わってしまうのであった。その後は以前のように遊ばなくなり、夏が終わる直前にぼくが別の寮に移るということで1日住む所がなくて、Jが

「私の部屋に泊まったらいいよー」

と言ってくれたので助かったのだが、あまり気がすすまなかった。彼女は別の女の子のルームメイトとの2人部屋で、そのルームメイトも専門学校からの短期留学生だった。夜にぼくがどっちのベッドを使うかということになり、ぼくはルームメイトの女の子と同じベッドで2人で寝た。Jはたばこを吸う人だったので一緒に寝るのが嫌だったのと、米をひっくり返しそうなって以来あまり近づきたくなかったのだった。

この状況下でぼくはどきどきしてしまい、朝方このルームメイトの胸を触りたくてしょうがない衝動に襲われたが、部屋の電話が鳴って彼女が目を覚ましたので事故が起きずに済んだ。次の日ぼくが別の寮に移るとJとは疎遠になった。でも嫌いという気持ちが薄れた頃にたまにぼくの部屋に遊びにくるようになった。とある日の夜、一緒にご飯を食べた後Jはなかなか帰らない。結局泊まって行くと言い出し、お風呂と服を貸してあげて一緒にベッドに入った。

色々話しているうちにうとうとしてきたが、ぼくが彼女の顔に触れた時

「なに?」

と言われてそれ以上何もする気が起きなくなってしまった。多分Jは眠かったのだと思う。そのあとぼくはもう寝ようと思ったが体は生理的な反応をしていて、彼女が寝息を立て始めてしばらく経ってから彼女に押し付けたりしてしまった。彼女は動かなかった。

ぼくが彼女を好きという以前の気持ちはもう完全にどこかに行ってしまっていた。性欲だけではどうにもならないと思ったぼくは起き出してリビングのソファーに横になるのだった。色々と考えていたらそのうちに寝てしまった。

朝になってJが起き出してきてソファーで寝ていたぼくに声をかけてきた。

「おはよう。泊まりにきちゃってごめんね」

彼女はぼくに避けられているのを分かっていて、でも部屋に泊まりにきてしまった自分を責めていた。ぼくは

「いいよ」

と言うのだが、彼女を放ってリビングで寝てしまうのだから彼女はそれを言葉通りには受け取らなかっただろう。ここで彼女を抱きしめてあげられでもすればよかったのだろうが、当時のぼくにそういうことはできなかった。ぼくは正直に

「おれJが好きだったんだよ」

と打ち明けた。過去形の告白である。以前は好きだったが今は好きじゃない。なんと悲しいことだろう。そして米をひっくり返しそうになったことがきっかけで嫌いになったということも伝えた。Jは

「だれにだって失敗はあるじゃん」

と悲しそうに笑うのだが、ぼくにはどうすることもできなかった。そして彼女が住む寮まで明け方の上り坂を2人で歩き始めた。彼女は

「好きだったんだよね?」

と何度も聞いてくるが、ぼくにはうんとしか答えようがなかった。彼女がぼくに対して「好き」とは一度も言った事はなかったが、ぼくがほかの女の子から何かをもらったり一緒にいるとしつこく誰?と聞いてきたし、ぼくが一時帰国する時は空港まで来てくれた。彼女の気持ちは実際のところどうだったのだろう。

その後Jも留学期間が終って帰国した。そして日本でぼくはJと再会した。その時

「ごめんね」

と言ったら、彼女は

「うぬぼれないで」


と笑いながら言うのだった。それっきり彼女とは会っていない。今どこで一体何をしているのだろう。

0 件のコメント:

Powered by Blogger.