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とらが好きになった女の子(中3)と男の子(高1)

とある女の子とその子によく似た男の子を好きになってしまい、思い悩み、自分でどうにかしようともがいた時のお話です。


中3で同じ部活のひとつ学年が下のDさんを好きになった。色白でかわいらしい美少女タイプの子だった。とは言ってもCさんとの苦い恋愛経験があるので、好きでしかたがないという心境にはなれず、ただ

「かわいいなぁ」

と毎日部活で見かけた時に思っていた。中学校からの帰り道にDさんの家があり、

「ここに住んでるのか~」

と思いつつ、Dさんのお母さんがすごく太った人だと聞いていた為、

「あんな小さくてかわいい子なのに母親が百貫デブなのはどうしてだろう」

と不思議に感じていた。とまあこんな調子で、Dさんに対してぼくが何かアクションを取るということは皆無だった。ただの憧れだったのである。小さい頃から女の子によくちょっかいをだしていたぼくがここにきて億劫になった原因は、ひとつ前の恋(中2)にも書いたように、恋愛がうまくいかなかったことを自分の外見のせいにし、

「もっとイケメンだったら全部うまくいったのになぁ」


と思う傾向がどんどん加速していったことにあると思う。ぼくみたいな人と付き合いたいと思う人がいるはずがない、というネガティブな思考がぼくの頭を支配した。そうなると不思議なもので、意識は女の子よりも外見のいい同性の同級生に向くようになった。そこでその人についていいな、かっこいいなと思った点について研究し、自分もそれに近づくように何らかのアクションを取るというのが健全であると今では思うのだが、当時は

「あいつかっこいいな~、でもとらは○×だしなぁ~、いいな~」

という具合に、自分と他人を比較し、自分を下に見るようになっていき、憧れだけが心の片隅に残るようになっていった。そしていくつかの決定的な出来事がその傾向をさらに加速させた。

ひとつはぼくが学年で一番イケメンだと思っていた人と修学旅行のお風呂で一緒になり、その人が着替えている時にタオルがはらりと取れてしまった時、ちょっとしたタイミングでぼくは彼の全裸を見ることができなかった。ほかの同級生の裸なんてお風呂でいっぱい見てなんとも思わなかったのに、彼のが見れるのに見れなかった、それが一番のイケメンだったということで、なんとも言えないもったいない気分になったのと、彼のはいったいどうなっているんだろうという変な妄想が浮かんできてしまったのだった。

あともうひとつは、これも修学旅行でのお風呂なのだが、ぼくは特に意識して前を隠したりとかはしなかったのだけれど、同級生の裸を見ていて、どうもぼくのちんちんは他の人と比べて小さいんじゃないだろうかと思い、得意の不安症が出てお風呂から上がった後トイレでパンツを下ろして自分のを見て、

「あーやっぱ小さいかもー」

と極度の不安に陥るのだった。

さらにもうひとつは、同じクラスのかっこいい人の裸を見てしまい、ひとつは修学旅行のお風呂で後ろ姿でωだけ見えていて、あと運動会の練習と当日の組み体操でその人とペアになって、なんか水平になったところを足を持ち上げる係にぼくはなって、彼のωが見えてしまうということを何度も経験し、前の方はどうなっているんだろうと気になってしかたがなくなったことだ。

こうも不思議な事が起こるものかと思った。ぼくはそれまで男になんて何の興味もなかったのである。それが女の子との恋愛に失敗して、イケメンだったらうまくいったのにと思い込んで、イケメンにあこがれて、でもそうなれないと思い、特定の同級生イケメンが気になり、チャンスがあったのに股間が見れなくてもどかしいというなんと表現したらいいか分からない状況に陥ってしまった。

ただそれはそれとして女の子は普通に好きだったし、男は上記の2人が好きとかいうことはなく、ただ股間が気になるというだけで自分でもおかしいとは思わなかった。男子校の高校に進学するまでは。


高校は地域でナンバー2の高校を選んだ。ぼくは中学では成績は常にトップクラスで入試の自己採点も5教科500点満点中498点であり、ナンバー1の高校に確実に入れたのだが、例の不安症が出て

「落ちたらわけの分からない私立にいくことになる!」

と思って出願ギリギリでランクを下げ、ナンバー2の高校にした。どちらの高校も男子校で、そのナンバー2の高校に入ってみたら生徒にかなりレベルに幅があって、ナンバー1の高校であれば誰をとっても偏差値が72以上あるのに対し、ナンバー2の高校は下はいくつか忘れたがかなり幅があって、中学でそんなに成績のよくなかった同級生もかなり入ってきており、ぼくは

「なんということだろう」

と入学前から絶望してしまっていた。ぼくは中学校からこの絶望に加えて、先に書いたイケメンが気になってしまうという病(?)も合わせて高校に持ち込んでしまうことになるのだった。そんな中で迎えた高校の入学式。当然生徒は全員男である。その中にぼくのタイプの人、つまり

「ああいうふうになりたい! (そうすれば女の子との恋愛が絶対うまくいく)」

と思う人がいて、めまいがしてしまった。こんなに男ばかりなのだから1人ぐらいはそういう人がいてもおかしくはない。そわそわしながら終えた入学式の後、教室へ向かった。ぼくは1-3であった。そこでぼくは衝撃を受けた。なんとさっき気になった男の子がぼくの後ろの席に座っていたのである。ぼくは恥ずかしくてプリントを配ったりする時、全然後ろを向けなかった。

入学して何日か経つと、同じクラスで仲のいいペアやグループができ始める。ぼくも後ろの人もひとりでたたずんでいることが多くて、駅まで一緒に行けたらいいのにとか思いながら学校を後にしていたのだが、話しかける勇気がなくて1週間ぐらい経ってしまった。そして彼のもうひとつ後ろにいた人が、彼に話しかけて話すようになり、一緒に帰るようになってしまった。ぼくは

「しまった。とられたー」

と思った。あたかも共学の高校で密かに想いを寄せていた女子をほかの男子に取られたかのような心境である。まあぼくの場合恋心ではなく、ちょっと憧れていて友達になれるかもしれないのに勇気がなくてだめだった、というところだろう。入学当初はそんな悶々とした日々を送っていたのである。ところがそれにさらに拍車をかけるような出来事がその後起きたのだった。

それは何かというと、とある日の放課後にトイレで用を足そうと思うと隣に別の生徒がいた。誰だろうと思って何気なく顔を見ると、中3で好きになったDさんだったのである。正確にはDさんに非常によく似た美少年タイプの同級生、なのであるが、ぼくはくらくらめまいがしてしまった。

「どうしてこんなにかわいい人が男子校にいるんだろう。彼は本当に男なのかな?」

ぼくはそんなことを考え、彼がどのクラスの人か気になってしかたなくなった。しばらくして1-6だということが分かり、名前はなんというのだろう、どこから来ているのだろう、という具合に色々なことを知りたくなった。何かのタイミングで廊下などで彼を見かける、その度に胸がしめつけられ苦しくなった。

彼はY君といった。花ざかりの君たちへに出てくる堀北真希演じる芦屋瑞稀のような感じである。思い返してみると、この時も特定の男子が気になり出す前にトイレでY君の股間が気になったという出来事が先行しており、性器が気になるという中学校のケースと同じであった。彼にはついているのだろうか。もしそうだとしたらどうなっているのだろう。そういう事がすごく気になった。

高校の最寄り駅までの電車で、毎朝Y君は途中で乗ってきた。Y君が乗ってきて、もしぼくが近くにいて体が密着しようものなら頭がおかしくなりそうだった。学校で見かけたり電車でそういうことを何度か経験しているうちに、ぼくはこの想いが恋であると思うようになった。しかし冷静になって考えてみるとこれはまずい。どうにかしたい。そうも思っていた。それまで普通に女の子が好きだったからである。

ぼくは心が苦しいので保健室の先生に相談することにした。

「あのー、とらね、男が好きになったみたいなんですがどうしたらいいですか?」

先生は誰ー?と聞いてくるのであった。ぼくはほとんどを打ち明け、そしてぼくがあまりにも真剣なので先生はY君の家族構成などをこっそり教えてくれたが何の助けにもならなかった。保健の先生がぼくがBLに苦しんでいる様子を楽しんでいるような感じは受けなかったが、とにかく何の助けにもならなかった。

どうしてこんな苦しい思いをしなければならないのだろう。100%まるっきり叶わぬ恋である。何度も泣いた。そしてぼくはだんだんと鬱っぽくなっていく。この件については長くなるので別の機会に書くが、もうどうしようもないので自分でどうにかすることにした。とは言っても方法がないので色々と書物に当たることにしたのだった。

高校の図書室に精神医学大事典という古い本があった。ぼくはそれを手に取り、同性愛の項目を開いた。そこにはいろいろ載っていて、真性同性愛と機会的同性愛に分けて書いてあった。簡単に言えば真性同性愛はもともと同性が好きという人で、一方機会的同性愛はもともと異性が好きな人が、男子校や軍隊など同性と一緒にいる環境下でのみ発現する一時的な同性愛、ということあった。さらに同性愛は同性との性的接触で強化される、との記述があった。

「これだ!」

ぼくは思った。この精神医学大事典を見つけたことがその後のぼくを救う事になる。ぼくは本に書いてあった通りY君を好きになったのは機会的同性愛だから、いたずらに性欲を満たそうと愚かなことに走るより、それをぐっと押さえて、つまり同性との性的接触を持たないようにしながら高校を終えればいいんだ、という戦術を思いついたのであった。

と頭で分かっていてもつらいものはつらい。高校の中ではホモと呼ばれている人がいたり、同じクラスには女と呼ばれている人がいて、そういう人たちは周りも「そっち系の人」だということが分かっていたのであるが、ぼくにはそう言われることに対する勇気なんてなかったし、精神医学大事典のこともあるので一線は超えないようにした。しかし修学旅行で魔がさしてしまい、入学式で気になって席が後ろだった人が寝ている時ちょっといたずらをしてしまった。服の上からちょっとちんちんをつまんでしまったのである。そしたら起きてしまった。適当にごまかしたけど気まずかった。ごめんなさい。

修学旅行ではお風呂で一瞬だけY君の着替えに遭遇したが、学ランのズボンをはいたまま腰にタオルを当てていたので極度の「みられたくない症」だったと思う。そしてとある日、ぼくはY君も誰かからホモと言われていることを知った。彼はもしかしてそっち系の人なのかとも期待を寄せたこともあるのだが、ぼくが唯一したことは高3の時、放課後に彼のクラスに行って、Y君の椅子に座ってみたぐらいであった。でもY君との接触は1回だけ、2人とも運良く遅刻したときに駅から学校まで一緒に行ったことがあった。保健の先生からの情報で、ぼくの父と同じ会社でY君のお父さんも働いており、ぼくは自宅にあった社員名簿で勤務先事務所や職位を確認してしまっていて、それをすべてY君に明かすわけにはいかないが、

「Y君のお父さんってとら貿易で働いてるでしょ?」

と言って会話を膨らませたのだった。どうもY君は不潔な人が嫌いのようで、同じクラスの別の人をきたないからやだーなどと言っていた。この本当にドキドキしたし嬉しかったし楽しかった。Y君が女の子だったらどれだけよかったことだろう、そうも思った。神様はいつでも意地悪である。

そんなこんなで高校は卒業した。結局Y君とは何もなく、少しずつ忘れていった。しかしすぐに女の子が好きに戻るということはなく、というのもネットでエッチなものを見てしまっていたのがあり、同性との性的接触はなくともそれなりの刺激が脳に入ってきてしまっていたのであろう。さらに新宿2丁目が気になり、高校を出てから遊びに行ってみた。するとその日にナンパされた。おそらく30ぐらいのサラリーマンだと思う。

「タイプなんですが」

みたいなことをいきなり言われ、他人から好きになってもらうことがもう叶わないと思っていたぼくは興味本位と嬉しさでほいほい付いて行ってしまう。すると喫茶店でコーヒーをおごってくれた。夜だったのでその後晴美埠頭で夜景を見ようと言われ、やったーと思ったのだが、ついていくとビルの工事現場の3階あたりに連れて行かれていきなり抱きしめられた。

キスされそうになった。ぼくは頭を横に向けて拒否った。

「キスはだめなの?」

ぼくは頭を振ってだめのしぐさをする。キスなんてしたくなかった。すると男はぼくの股間に手をまわしてきた。ぼくはちんちんをもまれてしまった。修学旅行の時の罰だろうか。でも気持ちよくもなんともなかった。なーんにも感じなかった。ぼくに何の変化もないものだから男は

「小さいの気にしてるの?」

と言ってきた。大きなお世話である。その後男は未成年だったぼくにいたずらするのをやめ、2丁目のバーに連れて行ってくれた。おごってくれるというのであまり飲めないけどお酒を1杯飲んだ。ぼくはそこで泣き出してしまう。どうして泣いているのか聞かれて

「好きになってくれたから」

と答えたのだが、男は正直に

「タイプだしやれればいいって思ったんだよなーw」

と言ってきた。そしてぼくは色々と悩みを打ち明けて、男は自分がゲイになったきっかけを話してくれた。小さい頃近所の男に性的ないたずらをされたのがきっかけになったとのことだった。そして男は最後にぼくに対して

「女とやってみなよー」

と言うのだった。バーを後にして、しばらく今後どうするのなどという話をし、ぼくはアメリカの大学に行くと告げ、その男の名前も素性も何も分からないまま駅で別れた。もう2度と会うことはないだろう。しかしぼくは人の暖かさに久しぶりに触れたのだった。

その後何年も経って高校の同窓会があった。ぼくは既に彼女がいて普通に戻っていたが、同時を思い出して

「Y君が来ていたらどうしようかな」

などと思っていたのだが、ついにY君は来ることはなかった。当時の淡く苦い思い出はそのままぼくの心の中の深い所で眠ったままだ。

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